○健康保険について


≪定年退職後の健康保険加入6つの形態≫

1.(再就職の場合)再就職先の健康保険に加入 

健康保険がある会社に常用雇用者として再就職した場合、再就職先の健康保険に加入します。

 

加入条件・・・再雇用・勤務延長・再就職などで常用雇用者として再就職

加入期間・・・在職中

保険料・・・労使折半

 

2.任意継続被保険者になる

会社などを退職した人が、在職中に加入していた健康保険の任意継続被保険者になることができます。

 

加入条件・・・退職した前日までに継続して2ヶ月以上健康保険の被保険者であったこと。 (共済組合は1年以上)

加入期間・・・最長2年間

保険料・・・全額自己負担


3.国民健康保険の退職者医療制度

長い間、会社や役所などに勤め、退職して国保に加入した人は、老人医療になるまでの間、退職者医療制度による医療を受けることになります。


加入条件・・・ 国民健康保険に加入していて老齢厚生年金の受給資格があること。厚生年金か共済年金の加入期間が20年以上、または40歳以後に10年以上ある人

加入期間・・・75歳まで

保険料・・・市町村が収入に応じて決める

 

4.特例退職者医療制度

在職していた会社の健康保険に「特例退職被保険者制度」がある場合は、国民健康保険の退職者医療制度とどちらか有利になる方を選ぶことができます。

 

加入条件・・・所属の健康保険組合に20年以上、または40歳以後に10年以上

            加入していること。老齢厚生年金の受給資格があること。

加入期間・・・75歳まで

保険料・・・全額自己負担

 

 ※ 国民健康保険の退職者医療制度とどちらが有利になるかはよく比較検討して

   みないと分かりません。保険料だけについて考えれば、国民健康保険の保険料

   の方が安いこともあります。窓口での一部負担に対する附加金は国民健康保険

   にはありません。市町村によっては補助金が出るところもあります。会社の健康

   保険組合や市区町村の国民健康保険担当部署で確認しておきましょう。


5.家族の健康保険の被扶養者になる

子供・配偶者・親など家族が加入する公的医療保険の「被扶養者」になることもできます。

 

加入条件・・・60歳以上の人は年収が180万円未満で、扶養者家族と同居していること

加入期間・・・制限なし

保険料・・・被保険者(扶養者)が負担

 

6.国民健康保険に加入する

老齢厚生年金の受給資格がない人は上記の「任意継続被保険者」になるか「健康保険の被扶養者」になるか、「国民健康保険」に加入するかを選択します。

 

加入条件・・・他の健康保険に加入していないこと

加入期間・・・制限なし

保険料・・・市町村が収入に応じて決める

 

 ※ 「任意継続被保険者」「国民健康保険」、どっちが有利か

任意継続被保険者の場合、今までの健康保険証を退職後も使ます(2年間)が、保険料はそれまで労使折半だったものが全額自己負担になります。今まで月収が高い人は健康保険の任意継続を使い、月収の低い人は国民健康保険に加入した方が有利になる場合が多いようです。

 

    

とても分かりやすい説明をしてくれているサイトがありますのでご紹介します。

退職後は国保と任意継続 どっちがお得?(All About)

なお、定年退職して夫婦二人で国民健康保険に加入した場合、収めるべき保険料は夫婦二人分の所得割・均等割分となりますが、定年前の健康保険を任意継続した場合は、収めるべき保険料は被扶養者が何人いても本人一人分となっています。


≪加入手続き上の注意点≫

■ 健康保険の任意継続の手続

前の会社の健康保険を任意継続するためには、退職日の翌日から20日以内に申請書を所管の会保険事務所に提出しなければなりません。申請書と一緒に、退職を証明するもの(通常は健康保険喪失届の写し)が必要になりますが、この喪失届写しを入手できるのに退職後10日前後かかりますから手続は至急やった方が安心です。

 

■ 国民年金の加入手続

国民年金の加入も退職日から14日以内と決まっていますが、こちらは任意継続の手続ほど厳しくはありません。大幅に遅れた場合でも、定年で辞めたところまで遡及して保険料を払うことになります。

 

■ 全額自費で治療費を払う危険性も

退職後すぐにどれかの健康保険に加入の手続をしないと、いざ病気になったときに全額自費治療という憂き目に遭わないとも限りません。家族の健康保険の被扶養者になれば保険料が無料で一番いいですが、それができなければ上記の選択肢から一番自分に合ったものを選んで手続を進めてください。


出典: 生き生きセカンドライフのすすめ




退職後の健康保険はどうなる?

退職後2年は任意継続がベター。

早めの手続きを忘れずに


会社勤めのときには、事業所単位で加入する健康保険に入っているが、定年退職後はどうなるのだろうか?


■退職時に加入する健康保険の比較

退職後の健康保険の加入の仕方は3つある。まず検討したい有力候補は、会社員時代に入っていた健康保険の任意継続。現役時代には健康保険料の2分の1を会社が負担してくれていたが、退職後は全額自己負担になるので、保険料はこれまでの2倍になる計算だ。しかし、保険料は上限で月額2万6124円(政府管掌の場合。介護保険料込み。年度によって変わる)。妻も扶養のままなので、国民健康保険の保険料よりは安くなる人が多い。任意継続にすると、加入先によっては付加給付があるなど、国民健康保険より給付が充実しているケースもある。


手続きは退職後20日以内なので忘れないように。ただし、任意継続できるのは退職から2年までだ。


次に国民健康保険に加入する方法。国民健康保険には扶養制度がないため、夫と妻と2人分の国民健康保険に加入する。国民健康保険の保険料は、収入による所得割と、加入者の人数分一定額がかかる均等割などを足して算出する(詳細は市区町村ごとに決められている)。前年の収入に基づいて計算されるため、退職前の収入で計算された保険料を収入がダウンした退職後1年目に支払うのは厳しい。退職後すぐは任意継続にして、その後国民健康保険に加入したほうが急激な負担増を避けられる。


ここで注意したいのは、退職後1年間は任意継続の保険料のほうが安くても、退職後のダウンした収入で計算される2年目以降の健康保険料は、国民健康保険のほうが低額になる場合もあるということ。また、同じ世帯の子どもや妻が自営業などで、すでに国民健康保険に加入しているのなら、世帯当たりの上限額があるので、一緒に国民健康保険に加入したほうが、保険料が割安になる場合もある。医療費の自己負担の割合は、任意継続でも国民健康保険でも3割と同じなので、保険料の安いほうを選ぶとよい。国民健康保険の保険料は、市区町村役場の窓口で試算してもらえる。


保険料の請求は、家族の分を含めて世帯主に届く。国民健康保険の保険料(介護保険料含む)の上限は、1世帯あたり月額約6万円程度(これも市区町村によって違う)。加入の手続きは、自分で市区町村役場の窓口へ行って行う。


同じ国民健康保険でも、厚生年金から年金を受給できる、厚生年金の加入期間が20年以上あるなどの条件を満たす人は、健康保険組合によっては退職被保険者になれる場合もある。保険料は国民健康保険と同じだが、退職被保険者は原則、妻を扶養者とできる。ただし、この退職者医療制度は2014年度までで終了する予定だ。


自分の子どもや妻が会社員なら、その扶養になることも検討してみよう。被扶養者の条件は、生計維持関係にあり、年収が180万円未満(60歳以上の場合)などと厳しいが、該当すれば健康保険料がかからない。これが可能なら、保険料は一番おトク。


死ぬまで払い続ける健康保険料は知恵を絞って最善の方法を選びたい。


出典: PRESIDENT Online