○ボランティアに生きる


ボランティア活動で社会とのつながりを持つ

定年後にボランティア活動をしたくてもきっかけがつかめない人が多いようです。自分でできることは何なのか、どんなボランティア活動が自分に合っているのか、どんなNPO(非営利組織)を選べばよいか、どこで情報を集めればいいのか、ここではそんなシニアのボランティアへの道を探ってみることにしましょう。


一口にボランティアといっても福祉、環境保護、災害救援、文化・芸術関係、育児参加、

教育、国際協力など、その分野は多岐にわたっています。いざ始めようと思っても、

何から始めていいか分からない人が多いようですが、そんなときは身近なものから、

あるいは関心のあることから探してみることです。


自分が持っている資格や技能、経験を活用できることは何か、関心や興味があるのは

何か、力を発揮したいのはどの分野かをまずは自分で決めましょう。


ボランティア活動例(多いもの)

   ○ まちづくりのための活動

   ○ 自然や環境を守るための活動

   ○ 健康や医療サービスに関係した活動

   ○ 芸術・文化や社会教育に化する活動

   ○ 海外ボランティア活動

 

最近人気のある活動として「観光ボランティ

ア」「動物園ボランティアー」「森林インストラ

クター」「読書アドバイザー」などがあります。

美術館や図書館、動物園などの社会教育客

を対象に森林ガイドや観察会などを実施する

公的資格です。


 

■ 募集情報はどこから

   市町村の広報誌

   地域のボランティアセンター

   地域の市民活動センター (東京の場合 http://www.tvac.or.jp/)

   日本赤十字社 http://www.jrc.or.jp/index.html

   日本NGO活動推進センター http://www.janic.org/

   国連ボランティア計画 http://www.unv.or.jp/

   さわやか福祉財団 http://www.sawayakazaidan.or.jp/

   全国観光ボランティア http://www.nihon-kankou.or.jp/vg/index.html

   観光ボランティア情報

      http://www.kanko.metro.tokyo.jp/volunteer/index.html

   東京動物園ボランティアーズ http://www.tzv.jp/

   国立科学博物館教育ボランティア

      http://www.kahaku.go.jp/learning/volunteer/index.html

   財団法人出版文化産業振興財団 http://www.jpic.or.jp/index.html

   森林インストラクター http://www.shinrin-instructor.org/  


■ 海外ボランティアについて

海外ボランティアは政府開発援助(ODA)事業を実施する国際協力機構(JICA)がシニア海外ボランティアの派遣などボランティア事業を実施しています。主に

発展途上国や地域に出向き、いままで培ってきた知識や技術を生かしたいと思う人に向いています。

 

対象年齢は40歳以上69歳以下で、2006年度に派遣された人の平均年齢(応募時点)は58.2歳でした。年間の派遣人数は約500人です。

 

全般的には工場や生産現場で技術職に携わってきた人に対するニーズが高いようですが、観光開発、貿易業務、マーケティング、教育などの分野や、中には囲碁、スポーツ、音楽の指導といった趣味や特技を生かせる業務もあるようです。

 

費用面では、JICAが往復旅費、現地の生活費、居住費、国内積立金などを支給しています。

 

    ・国際協力機構(JICA) http://www.jica.go.jp/Index-j.html

    ・JICA地球ひろば http://www.jica.go.jp/hiroba/index.html

    ・JICAシニア海外ボランティア

     http://www.jica.go.jp/volunteer/application/senior/

    ・財団法人オイスカ http://www.oisca.org/

    ・バンザイ・インターナショナル http://www.banzai-international.com/

    ・ボランティア活動応援サイト http://volunteer.lantecweb.net/     



■ NPOについて

NPOとは「Nonprofit Organization」の頭文字をとったもので、文字通り非営利の組織のことをいいます。 1998年にNPOに法人格を与える特定非営利活動促進法(NPO法)が施行され、同法に基づく特定非営利活動法人(NPO法人)のことを指します。

 

ボランティアが原則お金を受取らないのに対し、NPO活動は収入を得て利益が生じ

ても参加者に分配せず、新たな活動のための資金に充てています。そのため、NPO

は経費で有給のスタッフを雇ったり、サービスを有料で提供したりもします。

 

NPO法が指定する活動分野は17種類あり、シニア向きのものが多くあります。

保健医療・福祉、社会教育、まちづくり、文化・芸術・スポーツの振興、人権擁護と

平和推進、国際協力から子供の健全育成など多方面に及んでいます。

 

活動の中心はこれまで家庭の女性が占める割合が大きかったのですが、最近では企業を退職したOBがNPOを立ち上げる例が増えてきています。シニアの持つ現役時代の技能や経験が組織の運営に生かされているのです。


    ・JAICAF NGO情報 http://www.jaicaf.or.jp/ngo/index.htm

    ・内閣府 NPO ホームページ https://www.npo-homepage.go.jp/

    ・ViVa!NPOボランティア情報 http://www.viva.ne.jp/ 


■ ボランティア活動をするにあたっての留意点

○ 会社の肩書を捨て、コミュニティーにとけ込む

年功序列や肩書を重んじる態度は不要なだけでなく活動の妨げになります。

まずは会社人間からの脱却することが大切であると全国ボランティア活動推進連絡協議会委員の大久保邦子さんは述べています。地域にとけ込み、自分たちの使命を相手に伝えるコミュニケーション能力が大切になるということです。


○ はりきり過ぎないこと

やっと定年でゆっくりと夫婦の時間を楽しもうと思っていたのに、ボランティア活動

にのめり込み、毎日クタクタになって帰ってきてあとは寝るだけなんていうのでは 何のためのボランティア活動なのか分かりません。まずは自分の生活を第一に据えて、楽しく長続きするような活動をするべきでしょう。ボランティア活動は義務として行うのではなく、自発的な行動が基本ですからできないところまでやろうとしないことです。奉仕の精神がいつの間にか犠牲的な精神に変わってしまわないよう気を付けたいものです。

 

○ 仲間と支えあい、学び合う気持ちが大切

ボランティアは決して一人でできるものではありません。同じ志を持った仲間と支え合い、学び合いながら活動することが何らかの形で周囲や社会の環境を変え、貢献する活動となるのです。

 

○ 経済的な余裕も必要

ボランティアは基本的には無料奉仕です。活動に参加する為の交通費や食費なども通常は自腹と考えておいた方がいいでしょう。そういった小さな費用でも毎日の積み重ねでは結構馬鹿にならない金額になります。なかには会費や寄付など逆に出費が発生することもあり、ある程度の経済的な余裕をみておかないと途中で挫折の憂き目を見ることにもなりかねません。  

    

 

出典: 生き生きセカンドライフのすすめ

 

 


★生きがいを見つけるボランティア

団塊の世代の意識調査によると、今後やりたいことの第1位は趣味・スポーツ活動ですが、2位以下のすべてが何かしらの社会貢献活動であるという結果が出ています。

(資料: 内閣府「団塊世代の意識に関する調査」(平成24年))

これをみると、多くの人がボランティアに興味を持っていることがわかります。


仕事より楽しい!?ボランティア

ボランティア ある心理学者の実験で、「報酬を得ない作業のほうが楽しい」ということを実証した、興味深いものがあります。

まず、2つの大学生グループにパズルを出題します。1つのグループには時間内にパズルを完成させれば報酬を支払うと約束します。もう一方には何も言わずパズルだけを与えました。

そして両者を観察してみると、何もいわれなかった学生たちは、報酬を約束された学生たちの倍の時間もパズルで遊んだという結果が出たのです。

報酬があると、それを目的にやるという意識が生じますが、そうでなければ純粋にパズルを楽しむことができるというわけです。

この結果を見る限り、楽しんでやれるのは仕事よりもむしろボランティア活動であるといえるでしょう。


肩書きのない人間関係が作れるボランティア

ボランティア活動のなかでは誰もが平等な立場です。大企業の社長であろうが、大学生であろうが肩書きは関係なく、一からフラットな人間関係を築いていくことができます。そこには会社と違った楽しさがあり発見があることでしょう。


★ボランティアの始め方

初めての場合、ボランティアをどこで募集しているのかわからない方も多いでしょう。まずは情報の入手先を知ることから始めましょう。


<地域のボランティアセンター>

全国の市区町村の社会福祉協議会が運営しているボランティアセンターでたくさんの情報が得られます。インターネットでアクセスすることもできますし、直接出向いて資料を閲覧したり、スタッフに相談することもできます。


<その他の公的機関>

公民館、図書館、市役所などでも情報を入手できます。市町村の広報誌でお知らせしている場合もあります。


ボランティアにはどんなものがあるの?

ボランティア活動のおおまかな区分をご紹介します。この中でさらに細分化され、いろいろな仕事が発生します。

<社会福祉>

高齢者や障害者、子供、その他生活課題を抱える人への支援。

<医療・保健>

病院や保健所内での活動、心身の病を持つ人に対する支援

<国際協力>

海外への支援、日本にいる外国人への支援

<環境保護>

自然・動物保護、リサイクル活動など

<芸術・文化>

美術館・博物館内での活動、地域文化への貢献活動など

<スポーツ>

スポーツ活動支援、障害者スポーツ活動への支援

<災害関係>

災害活動、災害時の救助・支援活動

<消費者関係>

消費問題の解決支援、消費者教育への協力


ボランティアは気負わず無理せず

ボランティアを行うにあたっては団体のルールをきちんと守り、周囲と協力しながら行うことが前提となります。しかし、会社勤めの頃のように無理をしてでもバリバリこなすというものではありません。

職場ではノルマ達成やスキルアップ等、自分の能力を高めていくことが求められました。その感覚が抜けきれず、つい気負いすぎてしまう人もいます。

ボランティアでは自分のできることをできる範囲でやるのが基本。そうでなければ楽しめませんし、長く続けられません。気楽にやるのが一番なのです。

忙しくてもできるボランティアもある


ボランティアとのかかわり方も様々です。週に何日といった継続的なものもありますが、中には週1回、月1回数時間だけでできる作業もあります。在職中から少しずつ携わってみるのもよいでしょう。


出典: 生き生きセカンドライフのすすめ




定年後に地域のボランティア活動

定年後にボランティア活動をしようと決めていらっしゃる方もいると思います。 ただ漠然とボランティアで役に立ちたと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、ボランティアといいても活動範囲も活動内容もいろいろとあり、いちばん身近なのは、地域でのボランティア活動です。


地域の活動では特別な知識や技術などはいりません。 そして実はシニアのボランティア活動というのは地域の人々が必要としていることが多いのです。


例えば町内会の美化活動や登下校児童の見守りなどです。 現在は昔に比べて、都心も地方も関係なく治安が悪くなっています。 マンションも増え、夫婦共働きの家庭も多く、昼間の人目というものがなくなっています。 また、夏休みの小学校のプールの監視員やラジオ体操など、シニアボランティアを必要とする地域活動はすごく多いのです。


土日の休みを利用しての小学校での活動もあります。 昔遊びや、竹とんぼの作成、注連縄作り、こまの遊び方などいろいろと町内会や学校の PTAを通じての地域活動が行われています。もちろんシニアボランティアの募集も同時に行われます。


小さな地域の活動からそれがやがてNPO法人へと育っていくことも有るでしょう。 また団塊の世代の方々がリーダーシップをとって組織作りをするのも良いでしょう。 末永くNPO法人を円滑に運営していく為には会計の知識も必要です。 ここでもまたサラリーマンを何十年とやってきた団塊の世代の知識が活きるでしょう。


前橋市では地域の高齢者が小学校で寺子屋活動を行っています。事業内容は学習支援です。

前橋市・学校支援寺子屋事業

このような活動が全国に広まると良いですね。 学習支援のほかに地域によっては、健全な青少年育成のために薬物乱用防止活動を 行っている団体もあります。 最近では大学生などの若い世代もボランティア活動に多く参加しています。 定年後にボランティア活動を通して、地元地域以外にも思わぬ交流が生まれるかもしれません。


また最近では環境管理士という資格がボランティア活動で注目を浴びています。


日本環境管理協会

団塊世代などによるシニアボランティア参加が期待されており、定年後の仕事として

地域のボランティア活動は、やりがいのある仕事といえるのではないでしょうか。


シニア海外ボランティア

定年後の生活設計に再就職でもなく、起業でもなく、ボランティアを選ぶ方たちもいます。 ひとくちにボランティアといってもいろいろな協力の仕方があり、 働きながら行われる地域レベルでのボランティアから、ODAやNGO、NPOなどの 組織に所属するボランティアまで貢献の仕方は人それぞれです。 定年後に語学力と技術力を活かして海外ボランティアに参加するシニアもいらっしゃいます。


海外ボランティアといってまず思い浮かぶのは、ODAです。 ODAとは政府開発援助のことでJICA(独立行政法人 国際協力機構)がこの事業を行っています。 JICAというと海外青年協力隊を想像される方もいらっしゃるでしょうが、 JICAの事業の中にはシニアボランティアがあり、相手国の人材育成を通じて支援する技術支援を 行っています。


海外シニアボランティアには途上国からの要請にこたえられる技術力が必要ですし、 発展途上国の生活環境はかなり厳しい状況にありますので、それに耐える体力や精神力、高い順応性も必要となります。当然、語学力は必須です。


団塊の世代の方なら海外勤務の経験をお持ちの方もいらっしゃると思いますし、シニア海外ボランティアに参加する方は、日本でも定年後に再就職が可能な能力をお持ちの方が多いのではないでしょうか。つまり、シニア海外ボランティアの条件を満たすには、日本国内での再就職より厳しいのかもしれないという認識は持っておいたほうがいいでしょう。


シニア海外ボランティアに参加するには、試験や面接、研修などがあります。

詳しくはjica シニア海外ボランティアのサイトまで


シニア世代の海外ボランティアは、よほどの覚悟が無くては難しいかもしれません。 ただし、他人の役に立ちたいという強い信念をもってらっしゃる方、定年後に大きなことを残したい とお考えの方にとっては、やりがいを感じる仕事でしょう。


そして、派遣される場所は安全な場所のようですが、派遣される国は貧しさに苦しみ、 ジェンダーや教育格差、紛争が絶えない政情不安定な国もありますので、実際には家族の反対も 多いそうです。シニア海外ボランティアを始めるにあたっては、強い精神力と確固たる意思が あるかどうか再確認が必要です。


出典: 定年後の仕事




定年後の生きがいになるボランティア3選

定年後、外へ出て新しい生き甲斐を見つけたいと感じたら、ボランティア活動に参加してみることがオススメです。

基本的に無償・もしくは交通費程度のお金しか出してはもらえないものの、新しい仲間との出会いがあったり、現役時代とは違った世の中への貢献ができたりと、得るものがたくさんあります。

では、定年後にどんなボランティアに参加すれば生き甲斐に繋がるのでしょうか。

ここではそうしたボランティアの種類についてご紹介します。

観光地の首里城


1.地域パトロール

自分の住んでいる地域を歩きながら見回り、時には人々に声をかけながら町内の安全管理に携わる地域パトロールは、地域の人が安心して毎日を過ごすことに貢献できる、やり甲斐あるボランティアです。

今、日本でも悪質な犯罪が増えているため、地域で団結し、自分たちの力で事前に犯罪の発生を喰い止めようという動きが活発化しています。そのため、地域パトロールのボランティアは、年々需要が高まっています。

パトロールをしながら御近所とのコミュニケーションもはかることができますし、「定年後の世代」という人生経験豊かな人たちが地域を見守ってくれているということは、住民にとって大きな安心感に繋がります。


2.図書館の読み聞かせボランティア

図書館で、子どもたちに絵本や紙芝居を読んで聞かせる読み聞かせボランティアは、子どもが好き・本が好き、という人にオススメです。

子どもたちに、読書の面白さをダイレクトに伝えることができるボランティアなので、子どもたちの教育面に貢献することができます。

また物語の世界を生の声で語るものなので面白さが伝わりやすく、子どもたちの反応を生で感じながら読み聞かせるというライブのような楽しさを味わうことができます。

声を出すボランティアのため自身のストレス解消にもなり、心の健康にも良いボランティアです。


3.観光ボランティアガイド

観光客に同行し、訪れた地域やイベントの良さを自分なりの言葉で伝える観光ボランティアガイドは、日本各地の良さをお客様に伝えて喜んでもらうことができる、非常にやり甲斐のあるボランティアです。

観光ボランティアガイドは、訪れる場所の下調べをしたり、時には語学の勉強が必要になったりなど、様々な準備が必要で、決して楽なボランティアではありません。

しかし、それに取り組んでいく中で新しい世界をたくさん知ることができますし、色々なお客様との楽しい出会いがあります。

中にはこのボランティアをきっかけに、プロの通訳ガイドを目指すという人もいて、定年後の新しい大きな可能性が広がるボランティアでもあります。

人と触れ合うボランティアが第二の人生を輝かせる

人と触れ合い、現役時代とは違った形で世の中に貢献できるということは、定年後の第二の人生を大きく輝かせることに繋がります。新しい出会いもあるので、交流の幅も広がっていきます。

まずは、自分にできることから無理なく始め、「人を喜ばせる喜び」を感じてみてください。きっと、大きな生き甲斐に繋がるのではないでしょうか。


出典: ロクエン