○再就職・働く


★再就職の心得

高齢者の民間企業への再就職は現実的でない」、「定年による退職国家公務員は民間企業では通用しない」とよく言われますが、果たして本当でしょうか。


再就職が難しいことは間違いではありませんが、退職国家公務員に対する民間企業からの人材需要は結構あるようです。

民間企業の中には、公務での実務に関する知識を持つ人材を望んでいるところがあるようです。

その知識とは、法令の運用の仕方や解釈力などです。


民間で企業活動を進める場合は、何らかの法令規制を受けざるを得ません。

ところが、組織として法務部門がある大企業などではいざ知らず、そのような組織がない中小企業などでは法令に強い人材を育成し難いようです。

そこに、法令の取扱いに慣れている退職国家公務員に対する即戦力としての人材需要があると言われています。


民間企業の中には、役所への許認可などの申請書や役所からの各種調査に対する報告書などを的確に作成できる人材を望んでいるところもあるようです。

特に新興企業などでは、そのような人材の育成が遅れがちです。

これらの書類については、申請書を受理したり、報告書を受け付けたりしていた皆さんが、一番よく作成の要点を心得ているはずです。


このような職種にも、退職国家公務員に対する即戦力としての人材需要があると言われています。

民間企業への再就職は簡単ではないが、次に掲げる事項を参考にして準備し、決して卑屈になることなく自信を持って再就職活動に臨むことが肝要です。



▼再就職という選択を整理

●再就職の目的は、何かを明確にします。目的を明らかにすることにより、希望する再就職先企業や勤務条件などを絞ることができます。


(a)家計的なもの(生活費の必要性、将来への貯蓄、小遣い稼ぎなど)

(b)人生観的なもの(生きがい、社会貢献、健康維持など)


▼公務を過去のものとして捨て去る

●再就職先企業では営利を目的としているため、形式的な組織よりも機能する個人、肩書よりも能力や態度が重視されます。

言い換えれば、公務で有していた権威や職位などには頼れず、従事した業務における実績が職場での評価のすべてとなります。

このような実情を理解した上で、再就職活動に臨むべきです。


(a)判断業務等は必要としない


●公務で判断業務や管理業務などの中枢業務を担っていても、再就職先企業では補助的業務を自分より若い従業員に指示されて行うことが多くなります。

再就職をしたら「組織の最末端に位置して何でも自分で行う」というくらいの覚悟を決めてから、再就職活動に臨むべきです。


▼何故、高齢者を採用するのかを理解する

●民間企業が転職者を受け入れる理由は、その企業の中枢業務に対する補強や将来へ向かっての強化です。

その結果、中枢業務で必要とする技術や能力を持つ若い人材を高い賃金を支払ってでも採用することになります。

これとは別に、再就職は、補助的業務の即戦力となる人材を安い賃金で雇用することであり、その対象は一般的には高齢者であるということを理解しておきましょう。


(a) 給料が大幅に下がることを覚悟する

現状では、高齢者の再就職先は中小企業や新興企業に偏っており、一般的には給料も大幅に下がることを認識すべきです。

したがって、企業規模や給料額には固執せず、柔軟な気持ちで再就職活動を行うことが、再就職への関門を広げることになります。


(b)明るく穏やかに振る舞う

再就職先企業が高齢者に期待するものは、職場での人間関係の緩衝材となるような人柄です。

意識した謙虚な言動の中にも明るさを保ち、間違っても公務での権限を鼻にかけたような横柄な態度を表に出して再就職活動を行ってはいけません。


▼再就職活動は他人事でない

●再就職先企業はどこでも良いというような安易な気持ちでは、職場環境が公務と大いに異なる民間企業では長続きしません。

なるべく早い時期から、再就職へ向かっての気持ちの切替えに努め、自分の職業能力を見極めることにより、職場環境の変化に適応できる心身を作っておきましょう。


定年退職後からの再就職活動では、十分な準備期間を設けられません。

まして、定年後に「人生の休暇」などと称して就業の空白期間を設けてしまうと、求人企業側からも就業意欲に疑問を持たれ、また、本人の気力も萎えてしまってその回復に時間がかかることになります。


(a)他人に頼らず自分で探す

知人や友人に再就職の斡旋を頼んでも、高齢者を求めている民間企業の数は多くはありませんし、例えあったとしてもあなたの職業能力や人格について、知人や友人が適切に相手企業に伝えることができるかどうかは疑問です。


また、官の斡旋による再就職(いわゆる天下り)は、長引く経済不況や国民からの批判の声が強く、今後益々難しくなると思われます。

高齢者の再就職先企業は、自分で捜すしかないと考えるべきです。


出典: 団塊世代のセカンドライフ




定年後の仕事・働き方の選択

日本では一般に60歳が定年でしたが、最近では60歳以降も働く人が増えています。

それは年金受給年齢が引き上げられ、徐々に65歳からになるのと、 2005年に改定された「高年齢者雇用安定法」の影響が大きいと言えます。

また、「アクティブシニア」という言葉に代表されるように現代の60歳はまだまだ若く体力や知力もあり、働く意思を持った人が多いのも事実です。


厚生労働省が2007年10月に行った調査によると、「改正高齢者雇用安定法」の施行により、なんらかの再雇用制度を設けた企業は9割にのぼっています。

このように、働く意思があれば定年後も働ける環境づくりが急ピッチで進んでいるため、定年後も継続雇用される予定の人は全体の77%まで増加しているという調査結果もあります。


さて、では定年後も働く事を希望した場合、どのような働き方があるか、次のようにいくつかの選択肢があります。

●定年後も退職せずに、正社員として働く

●定年時に一時退職し、契約社員として再雇用される

●定年退職後、他の会社に転職、再就職をする

●派遣社員として働く

●パート、嘱託、アルバイトとして働く

●起業して、自営業を始める

●農業を始める・定年帰農

●シルバー人材センターで働く


定年後に働く場合、考慮しておかなければならないのは、働き方により収入も変化する事です。

また、定年後の収入は厚生年金や雇用保険なども合わせて考慮しておく必要があります。60歳以降もフルタイムで働いて厚生年金に加入する場合は、一定水準以上の収入があると年金が減額されるからです。(65歳までは、賃金と年金の合計額が月に28万円を超えると年金が減額されます。)

定年後も働く場合は仕事の内容や収入、今後のライフスタイルなども考え、無理のない計画を立てるようにしましょう。



定年後再雇用制度について

一般に定年と言えば「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」により、60歳を基準に定められており、60歳以下の定年は違法とされています。(第8条)。

また、同法律では高齢化社会に即して平成12年10月1日以降の改正で定年を65歳とするよう企業に努力義務を課しています(第9条)。


また、平成16年6月5日に「改正高年齢者雇用安定法」が成立し、平成18年4月1日から各企業に次の①~③のうちいずれかの実施が義務付けられる事になりました。


①定年をなくす。

②定年を65歳まで引き上げる。

③定年後再雇用制度を導入する。


このうち企業にとって最も人件費負担を少なくできるのが、③の定年後再雇用制度であるため、この定年後再雇用制度を導入する企業が増えてきました。 

さらに平成25年4月からは、継続雇用を希望する人全てについて、65歳までの再雇用が義務化されました。

しかし、この定年後再雇用は「新たな雇用契約の締結」となるため、勤務形態や職務内容に応じて、定年前とは異なる労働条件となるのが一般的です。


定年後再雇用制度の詳細及び注意点

●希望者全てが再雇用される訳ではなく、再雇用するかどうかの決定権は企業側にあるため、注意が必要です。

定年後も同じ企業や職場で働きたいと考えている人は定年前に使用者側に確認しておきましょう。

※平成25年4月からは「改正高齢者雇用安定法」が施行され、希望する従業員全員について65歳までの継続雇用が企業に義務づけられることになりました。この義務づけは、平成25年から12年間かけて1歳ずつ引き上げられることになっています。


● 定年後再雇用では、定年前と労働条件が変わります。

それまでの高賃金が一旦精算され、収入が下がる場合が多いので、注意が必要です。

また、勤務形態や労働時間、職務内容などについても変わる場合が多いので確認しておく事が大切です。 

● 定年後再雇用により、勤務時間数や勤務日数が減少した場合、雇用保険や社会保険に加入できないケースが生じてきます。

雇用保険に加入できなかった場合は同時に高年齢雇用継続給付の支給を受けることができないので、注意が必要です。

また、社会保険に加入した場合は、老齢年金の支給額が減額される場合があります。

● 定年後再雇用による雇用契約は多くの場合、1年有期で、その都度更新するというのが一般的です。

更新の上限年齢は「65歳に到達するまで」または「厚生年金(定額部分)の支給開始年齢まで」等と決めているところが多く、この点についても企業側に確認しておきましょう。



定年後の転職・再就職

定年後の継続雇用や再雇用制度を取り入れていない企業の場合や、本人が他の仕事をやりたいという希望を持っている場合、転職や再就職をするのも選択肢のひとつです。

また、再雇用制度があっても条件が合わない場合、転職をしたほうが有利になるケースもあります。

再雇用制度を取り入れている多くの企業は年金支給が満額になる65歳になると退職をしなければなりませんが、70歳になっても80歳になっても元気なうちは働きたいという意思を持っている方は、定年退職後かあるいはその前に年齢制限がなく何歳までも働ける職場に転職をしたほうが有利です。


60歳からの転職、再就職は決して易しいものではありませんが、長年培ってきた実務経験を生かせる職種や、契約社員、パート、嘱託社員といった形態の働き方を選べば、成功の可能性は大いにあると言えます。


定年後の転職・再就職先の探し方

定年後の転職、再就職先の探し方としては次のような方法があります。

● 知人に紹介してもらう。

今までの人脈をフル活用し、転職先を紹介してもらう方法です。

特に親しい人からの紹介は成功する確率が最も高くなります。

● 民間の人材紹介会社に登録し、紹介してもらう。

この場合、今までの実務経験やスキルを強くアピールする事により、即戦力を必要としている企業に転職、再就職できる可能性が高くなります。

● ハローワークなどの公的機関を利用する。

最も一般的な求職方法です。ハローワークでも少しずつですが、中高年や高年齢者の求人募集が増えています。

● 求人情報誌や新聞の求人欄、インターネットの求人サイトを利用する。

中高年や高年齢者の求人は決して多いとは言えませんが、思いがけず自分にピッタリの職種に出会う事もあります。

● 人材派遣会社に登録する。

やはりまだまだ中高年や高年齢者の派遣先は少ないというのが現実ですが、特定の分野のキャリア(資格、経験、知識など)を持っている場合は、有利な条件で仕事を探す事ができます。


出典: 定年後の仕事と働き方




定年後、どう働く?”シニア世代”の仕事の選択肢とは

「60歳、定年を迎えたけれど、まだ働きたい!」というシニア世代の方が増えています。

経験豊富でやる気のあるシニア世代は、採用する側にとっても貴重な人材。現在、正規雇用に加えてパート・アルバイトのお仕事や、高齢者派遣会社も増えています。

定年後にはどんな働き方があるのでしょうか?経験者の声を例に、5つのメジャーな選択肢を紹介します。

定年後も、以前と同じ会社で正社員として働く


定年後には 「定年後、本当はのんびりしようかなと思っていたのですが、知識と経験を見込まれ、引き続き働く事に。幸い健康に問題はないので、働けるうちは働き続けようかなと思います」(62歳・男性・製造業)


定年後も勤めていた企業で正社員として働き続ける方も増えています。

特に、昨年改正・施行された「高年齢者雇用安定法」により、定年を迎えた後も、働き続けることを希望した全員を65歳まで雇用することが企業に義務付けられました。

年金を受け取るまでの収入のない期間が生じるのを避けるための施策です。企業は定年の延長や、継続雇用で対応します。定年後も仕事を継続したい!というシニアには嬉しいニュースですね。


定年時に一時退職し、契約社員として再雇用される

「定年後、40年勤めていた製造業を辞めて、契約社員として働いています。11時から17時という“時短”で働きつつ、担当していた仕事を引き続きできるのが嬉しいですね」(65歳・女性・製造業勤務)


「定年しても、働く意志はあるけれど、以前とは異なる条件で働きたい」という人には、いったん退職したあとに、契約社員として再雇用される道があります。勤務時間や勤務内容を変えて、働き続けるケースです。日本の企業の場合、退職金は定年退職時に支払われることが多いようですが、定年時に貰わず、契約解除後に「賞与」という形で受け取るケースもあるそうです。

いずれにしても、働きたいけれど、体力や気力面で、以前とおなじ正社員でバリバリ、はちょっと……という方には適した形ではないでしょうか。



高齢者派遣会社に登録する

「退職したけど、収入の不安もあるし、細く長く働きたい。そんな時見つけたのがシニア専門の派遣会社。経歴やスキルを考慮してくれ、また孫の世話のために退社時間は早めで…という希望も聞いてくれた」(63歳・女性・サービス)


高齢者専門の派遣会社も最近は増えています。

雇用契約者は、派遣会社と雇用関係を結び、さまざまな企業の各部所に派遣されます。

たくさん働けない人でも、二人一組で一人分の仕事をこなす「ワークシェアリング」制度を導入している企業もあるので、体力に自信のない人でも安心です。


パート・アルバイトで再就職する

「定年を機にインターネットのシニア向け転職サイトを利用して新しい仕事につきました。パートですが、労働時間や勤務日数、また、自宅の近くであることなど、希望の条件から探せたのがよかった。定年後も以前と同じペースで働くのはちょっと……と思っていたので、条件に合う勤務先が見つかってよかったです。これからは趣味のハイキングに打ち込みつつ、仕事を続けたいです」(61歳・男性・小売り)


一番主流なのが、この「パート・アルバイトで再就職する」という方法です。

勤務時間や曜日の希望にあわせて、好きな仕事を選べるパート・アルバイトは、やはり、定年後のお仕事の主流。

シニア世代のお仕事探しの強い見方が、インターネットの求人サイトです。

これまではシルバー人材センターやハローワークなど、公共機関で仕事を探すのが主流でしたが、インターネットの求人サイトなら、施設まで足を運ばずに情報を集める事ができるため、シニア世代でもインターネットを活用してパートやアルバイトを探す方が増えています。

さまざまな仕事の情報が掲載されているため、希望の条件や雇用形態から選べ、大きな助けとなります。

職種や勤務地、給与、勤務時間などを条件ごとに検索できるため、効率よく情報を集めることができ、複数の企業にアプローチできます。

これから、ますます掲載される仕事の情報量も増えてゆくはずです。みなさんもインターネットを活用して、新しい仕事に出会ってみましょう!


出典: AGED FREE




「60歳の定年を過ぎても、元気なら働きたい」と願う人が増えています。

厚生年金の支給開始年齢が、段階的にひきあげられることになっており、働く目的も『生きがい』から所得確保に変わってきてます。


※60歳以降も働きたいと考えている人の割合は40~59歳までの人で81.0%、60歳以上で89.8%(総務庁調査)

新しい職場を見つけようとされる方は、下にリンクしてあります。

・全国シルバー人材センター

急速な高齢化の進展の中で高齢期を有意義にしかも健康に過ごすためには、定年等で現役引退した後でも、なんらかの形で就業し続けたいと希望する高年齢者が増えてきたことを背景に、昭和50(1975)年東京都においてシルバー人材センターのさきがけとなる「高齢者事業団」が創設されました。


 ・原則60歳以上の健康で働く意欲のある方。

 ・シルバー人材センターの趣旨に賛同した方。

 ・入会説明を受け、入会申し込みを提出した方(理事会入会承認が必要。)

 ・定められた会費を納入した方。



・独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構

各都道府県に高齢期雇用就業支援コーナーを設置し、労働者がその高齢期における職業生活の設計を行うことを容易にするため、在職者を中心とした中高年齢者に対して、退職準備、再就職に係るキャリアの棚卸し、公的年金等の職業生活設計に関する相談やセミナー、交流会等を実施しています。



・ハローワークインターネットサービス

全国のハローワークで受理した求人情報のほか、ハローワークへの求職申し込み、雇用保険手続き等の各種手続き、各種助成金、ハローワークの所在地等についての情報を提供しています。


出典: 団塊世代のセカンドライフ